9月中旬から10月にかけて、オレンジ色の小さな花を咲かせる秋の花「金木犀(きんもくせい)」。その独特な香りは日本で昔から愛されていて、庭木として今でも人気ですよね。
ひとたび嗅げば、幼い頃の懐かしさや哀愁漂う秋の季節の雰囲気を感じたり、なんとも言えない気分になるものです。
また、金木犀は香りが強めなのでトイレの臭いを隠すためにトイレ近くに植えられたんだとか。それもあって「トイレの芳香剤」なイメージを持つ人もいるかもしれません。
ですがそんな先入観なしに嗅いでみれば、とても上品な甘いフレグランスに病みつきになること間違いなし。
そこで今回は、金木犀の香りがする香水を6つ選んでみました。金木犀の香りと言ってもほのかに感じるものから、しっかり感じるものまでさまざまです。
それでは、はじめに金木犀についての簡単な説明をはさんで、おすすめ香水を紹介していきたいと思います。
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奥ゆかしさのある花「金木犀」
金木犀は中国が原産の植物で、江戸時代に日本に伝わってきました。中国では「桂花」と呼ばれていて英語では「osmanthus(オスマンサス)」です。香料も「オスマンサス」と記載されることが多いですね。
冒頭でも触れたように独特でちょっと強めのいい匂いを出します。その反面花の大きさは控えめ。1つ1つは小さいのに、それらが集まることで存在感がある芳香を出すわけですね。
ちなみに、花言葉には次のようなものがあります。
- 「謙遜」「真実」・・・ごく小さな花を咲かせることからイメージしたものでしょう。派手さはないけれど、奥ゆかしさやまじめさを思い起こさせる印象。
- 「陶酔」・・・甘い香りを嗅いだときの気分やフィーリングを表現したと思われます。
- 「初恋」・・・花の趣と香りの印象をミックス。
引用:花言葉辞典
アジアでは広く愛されていて、香りだけでなく食用に使うこともあります。日本でも砂糖漬けにしたジャムがあります。
欧米では馴染みがなく、最近まで評価されていませんでした。ですが近年になって、オリエンタルな魅力を醸す香料として、ようやく注目を浴びてきました。今後は香料にオスマンサスと載っている香水が増えるかもしれませんね。
金木犀の香りがするおすすめの香水6選
ここからは金木犀が使われているおすすめの香水を厳選して紹介していきます。どれも人気のものばかりですが、全てが100%再現した香りというわけではありませんので、ご注意ください。
武蔵野ワークス『フローラル・フォーシーズンズ 金木犀2015』
リアルな香りを追求した香水、武蔵野ワークスの『金木犀2015』。「フローラル・フォーシーズンズ」という四季シリーズのうちのひとつで、通常タイプと練り香水があります。
2015と付いているのは2015年に発売されたからです。同シリーズからは過去に『金木犀2011』『金木犀2012』も出ていました(現在は廃盤のようです)。
- トップノート…ピーチ・プルーン・チェリー
- ミドルノート…オスマンサス(キンモクセイ)・ジャスミン・ミュゲ・ローズ
- ラストノート…ムスク
ナチュラルで比較的軽め。男女ともに使えるユニセックスなフレグランスです。天然香料を使っていますが、香料と実際の花では香りに違いが出てしまうため、それを実際の花に近づけるべく調香師が工夫を凝らした作品です。
金木犀2015の口コミ
人によって濃度に対する感じ方に多少違いがありますが、悪い印象を受けた口コミはありませんでした。再現度もかなり高いので、季節を問わず使うことができると思います。
クリスチャンディオール『ファーレンハイト』
既存の価値観に縛られない、自由な男のための香水。「メンズの金字塔」とも言われています。名前のファーレンハイトは華氏のこと。その名の通り温度感を感じさせるフレグランスです。
- 香調:ウッディ
- トップノート…ベルガモット・ラベンダー・レモン・キンモクセイ・マンダリン、など
- ミドルノート…ジャスミン・スズラン・シダーウッド・サンダルウッド・バイオレット、など
- ラストノート…アンバー・パチュリ・レザー・ムスク、など
重めで落ち着きのある、それでいてセクシーさもあるフレグランスです。様々な要素が含まれ、とても複雑。そのためか好き嫌いも分かれます。それでいて女性の愛用者もいる不思議な香りです。
ファーレンハイトの口コミ
色々な香りがする複雑な香水のためか、オスマンサスの部分にコメントする口コミは少な目でした。嗅覚が繊細な人なら嗅ぎ分けられるのではないでしょうか。個性的ですので好き嫌いは分かれる傾向が強いですが、根強いファンがいます。
バーバリー『ウィークエンド フォー ウーマン』
名前の通り、週末に遊びに行くときのような、元気で明るく開放感のあるフレグランスです。
- トップノート…オレンジ・キンモクセイの葉
- ミドルノート…ヒヤシンス・シクラメン・ローズ・ピーチフラワー・イリス・ネクタリン
- ラストノート…スギ・サンダルウッド・ムスク
フェミニンを感じるフローラル。休日に限らず日常的に使える大人な雰囲気も持ち合わせています。
多少の甘さはあるものの、柔らかくほのかな甘さで大人な落ち着きがあります。
ウィークエンド フォー ウーマンの口コミ
柔らかいフローラルでとてもフェミニン。いかにも付けてます感がでないので、週末に限らず普段使いもOK。
マミーサンゴ『舞妓夢コロン (金木犀)』
京都限定のオーデコロン。京都の秋を思わせる清々しさのある金木犀の香り。舞妓さんのイラストが入っているボトルも可愛いと人気です。SNSでも話題になりました。
具体的な香料を明記しているサイトを見つけることができなかったんですが、口コミからは「再現度は完璧」「まさに金木犀!」「いい香りで幸せになれる」といったものが多く挙がっています。
他にも、春をイメージした『桜』、初夏をイメージした『山梔子(くちなし)』もあります。
舞妓夢コロン(金木犀)の口コミ
再現度はかなり高めのようです。持続時間に関しては人によって感じ方が様々で、夕方でもほのかに残っているという人もいました。ですがコロンなので持続は短めだと思っておいた方がいいでしょう。舞妓さんのイラストも好評です。
マミーサンゴ『舞妓さんの練り香水 うさぎ饅頭(金木犀)』
続いてこちらもマミーサンゴさんの商品。うさぎの形をした可愛らしい黄色の容器に入った練り香水です。なんでも京和菓子をイメージしているとか。
「舞妓夢コロン」と同様、香料の詳細はありませんでしたが、同じ会社が作っているだけあって、同じように「金木犀を完全に再現」という口コミが挙がっています。その実力は折り紙付きです。
シリーズは他に、甘酸っぱい桃の『ピンクのうさぎ』と気品あふれる沈丁花の『白うさぎ』があります。
練り香水なので、少量を手に取って、手首や耳の後ろに塗ってください。
うさぎ饅頭(金木犀)の口コミ
こちらも再現度が高いことをうかがわせる口コミがたくさん挙がっていました。中には芳香剤っぽさを感じる人もいるようです。持続時間もそれほど持続はしない傾向です。香りも強くはないのでほのかに出したい人向けですね。
さいごに
今回は金木犀の香りがする香水を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。日本では昔から馴染みがあり、懐かしさも相まって好んでいる人もたくさんいます。
ですが、欧米ではまだ馴染みがないように思われます。海外製にも金木犀(オスマンサス)が香料として使われることは増えてきましたが、あくまでそれは「香料の中にひとつ」というスタンスです。日本人がイメージするものはほぼ無きに等しい状況です。
「まさに金木犀」なフレグランスを探す場合は、日本の香水をメインに探した方がよさそうですね。通販を使えば京都まで行かなくても手に入れることができますし。
個人的におすすめなのは、最初に紹介した、リアルな香りを追求した武蔵野ワークスさんの『金木犀2015』です。このメーカーは花の香りを忠実に再現させた香水作りをしているとのことで好評です。これにたどり着くまでに何回も試作を重ね、その度に進化させてより忠実に再現されています。
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