レディース・メンズ問わず、多くの香水に使われている香料ムスク(musk)。日本語で言うと麝香(じゃこう)になります。
パウダリーで優しく甘い匂いで、色気も感じられる官能的なフレグランス。異性の気を引くのにピッタリと人気の香料です。
また他の香料との組み合わせ次第で、清潔感や爽やかさを出したり、知的な雰囲気を演出したりといろんな魅力を引き出してくれます。香りを長持ちさせる作用もあるため、昔から香水に使用されています。
ということで今回は、ムスクが配合されている人気の香水(メンズ・ユニセックス)を紹介していきたいと思います。まずは製品紹介に入る前に、ムスクについて簡単な説明からいってみましょう。
ムスクってなに??
ムスクは麝香(じゃこう)とも呼ばれていて、ネパールやヒマラヤに生息している小柄なシカの一種、ジャコウジカの雄から採れる動物性の香料です。ジャコウジカの雄が雌をおびき寄せるために放つものなので、「フェロモン香料」と言われたりもします。
雄の香嚢(こうのう)という器官から取り出した分泌物を乾燥させてつくるもので、一頭当たり30gほどしか採れません。取り出したときはアンモニア臭がする不快な臭いですが、乾燥させることでアンモニアが飛び甘美な匂いになります。
それがヨーロッパに伝わることで香料として使われるようになり、当然香水にも使用されました。その一方でジャコウジカが乱獲されるようになり、今では絶滅の危機に瀕しています。なので今ではワシントン条約で商業目的の取引に制限がかけられています。
市場に出ているムスクは合成
このような状況から、現在の市場に出回っているものは、そのほとんどが合成されたものが使われています。いくらいい匂いであっても、そのためにジャコウジカを絶滅させていいわけにはなりませんからね。
よく聞く「ホワイトムスク」もそのひとつです。正式な香料の名前ではなくて合成ムスクの通称なので、ものによっては花の香り、他のものではフルーツの香り、ということもあります。
他にもレッドムスク・カシミアムスクなどいろんな種類があって、香りのイメージや組み合わせた香料から名前が付けられています。
つまり、配合されているからといって「いかにもムスクの香りがする」わけでもなく、そこは製品によってマチマチで一概には言えないのです。
単に「ムスク」だけの記載のものでも、現在市場に出ているものはほぼ合成と考えて間違いないでしょう。ですが、合成であるとはいえ、それが粗悪なものということではありません。甘美な匂いはしっかりと再現されています。
ムスクが配合されている人気メンズ香水
ここからはムスクが配合されている人気の香水(メンズ・ユニセックス)を紹介していきます。いかにもなゴリゴリの香りのものもあれば、ほどほどにムスク感のあるものもありますので、選ぶ際は注意して下さいね。
プレミアムパヒューム『GINO STORIA』
女性ウケの良さを追求して開発された作品。女性が選んだ「男性につけてもらいたいフレグランスNo.1」です。ポケットサイズで持ち運びしやすいのも好評。
- 香調:シトラス、フローラル、ムスク
- トップノート…オレンジ・レモン・グリーンティー
- ミドルノート…ジャスミン・イランイラン・ミュゲ
- ラストノート…ウッディ・アンバー・ムスク
ムスクをベースにし、かつ強くなりすぎないようにシトラスやフルーティー、ジャスミンなどのフレッシュ系で緩和して爽やかに仕上げています。
「難しいことは分からないけど、とりあえず付ければ女性ウケするフレグランス」を探している男性におすすめです。
ソシア『ボディセンス』
「美の祭典」という美容の女性専門家が集まる場でアンケートを取り、93%もの人が「いい匂い・魅力的」と回答した練り香水。香りのプロで、見る目も厳しい人たちから高く評価された逸品です。
ムスクも入っていますが、独自成分「センスフィール」を配合。適度な微香性なので付けすぎて周りを不快な気持ちにさせることはないでしょう。練り香水なので量の調節もしやすいですよ。
ブルガリ『ブルガリ プールオム』
言わずと知れた王道の人気香水。メンズですが女性愛用者が多いのも特徴的。「サムライELO」2014年12月号において、「ベストメンズコスメ グランプリ2014」に掲載されました。
- 香調:シアームスク
- トップノート…シトラス・ダージリンティー
- ミドルノート…ブラックペッパー・ローズウッド・グァヤックウッド
- ラストノート…ムスク
フレッシュでエレガントなトップノート。ミドルノートではスパイシーさとウッディーな温かみが出て男性的な印象。ラストノートのムスクが心地よく包み込みます。
ブルガリプールオムの口コミ
人気なので色々な属性の人から高評価の口コミが挙がっています。香水デビューで迷ったらとりあえず試しておけ、と言われるくらい定番です。
セントネーションズ『ブルーフェロモン』
レイヤードフレグランスで人気のセントネーションズのメンズ用フェロモン香水。女性からのモテをコンセプトにしたフレグランスです。
- トップノート…グリーンアップル・カリフォルニアレモン
- ミドルノート…フリージア・オレンジフラワー・クラシックオスモフェリン・オリエンタルムスク
- ラストノート…チークウッド・ベチバー・アンバー・シダーウッド
フレッシュな柑橘系で始まるトップノートから、フローラルなミドルノート。ラストノートではウッディーな落ち着いた大人の男の色気を出します。
そして大きな特徴は、ミドルノートの隠し味に使われています。フェロモンとして有名なオスモフェリンを意識してつくった「クラシックオスモフェリン」と、フェロモン香料を更に魅惑的に作った「オリエンタルムスク」が配合されています。
ブルーフェロモンの口コミ
アランドロン『サムライ』
アランドロンがプロデュースした人気のメンズ香水。男性で知らない人はいないぐらい有名ですね。
- 香調:セミオリエンタル
- トップノート…ジャスミン・ローズ・へスぺデリック
- ミドルノート…レッドペッパー・タラゴン・シダーウッド
- ラストノート…サンダルウッド・ベチバー・バニラ・ムスク
全体的にはオリエンタルなフレグランスですが、ラストノートでムスクやバニラ、サンダルウッドが感じられます。しかしトップにジャスミンやローズが使われているので爽やかなに仕上がっています。
ジョーバン『ムスク フォーメン』
ジョーバンは香料を前面に押したシリーズをラインナップしています。その中でもいかにもなのがこの『ムスク フォーメン』。
- トップノート…レモン・ライム、など
- ミドルノート…ラベンダー・アンバー、など
- ラストノート…サンダルウッド・ムスク、など
濃厚なフェロモンを纏った甘さを醸し出します。
なお、レディースもあり「フォーウーマン」のネーミングでラインナップされています。こちらは女性向けの『ホワイトムスク フォーウーマン』です。
他にも、メンズとレディースでしっかりと分けてラインナップされています。
この『ブラックムスク フォーメン』も特に人気のあるメンズ香水です。
ムスク フォーメンの口コミ
セクシーさを感じられて男性から香ってくると好印象、思わず嗅ぎに行きたくなるという女性もいました。会社に付けていく人もいましたが、基本はプライベートタイムで使用する方がいいでしょう。
CAROLINA HERRERA(キャロライナ ヘレラ)『 212 メン オードトワレ』
アメリカのファッションブランド「キャロライナ ヘレラ」のメンズ香水。女性の愛用者も少なくありません。
- 香調:アクア、ウッディー
- トップノート…グレープフルーツリーフ・マンダリンリーフ・グリーンリーブス
- ミドルノート…アクアティック ミネラル・グリーンペッパー・ジンジャー・ガーデニア
- ラストノート…サンダルウッド・トランスペアレントムスク・ウッディーコンプレックス
フレッシュなグリーンから始まり、次第にスパイスが利いた男性的な印象。ラストノートではサンダルウッドやムスクが落ち着きのある大人な男を醸し出します。
212 メン オードトワレの口コミ
トップノートでそれほどツンと来ないので、女性でも比較的使いやすいと思われます。自分では香りを感じなくても周りには出ていることがありますので、付けすぎや付け足しには注意が必要だと言えます。
ムスクが配合されている人気ユニセックス香水
アリサアシュレイ『アリサアシュレイ ムスク』
スキンケアのブランド「アリサアシュレイ」のユニセックスフレグランス。歴史ある香水ですが、現在は小売店ではほぼ手に入らないレアものになっています。
- トップノート…バイオレット・ジャスミン・ローズ
- ミドルノート…ムスク・モス・トンカ・イリス・ウッズ
- ラストノート…ウォームムスク
ムスク好きにはたまらないとされる由緒ある逸品。温かさと甘さがあります。
人によっては昔と今の製品では香りの印象が違うという人もいます。ワシントン条約が効力を発生した1975年以前以後で変わっているのかもしれません。ある意味それだけ歴史があるとも言えます。昔のものとは違っていても、いまだ人気があることには変わりはありません。
アリサアシュレイ ムスクの口コミ
昔のものと違うという感想をもった長年の愛用者もいますが、今のものが「粗悪品」だとは思っていない様子でした。むしろあまり気付かずにすっと使い続けている人の方が多かった印象です。
それだけ合成のクオリティが高いのでしょう。それが解る愛用者はかなり繊細な嗅覚を持っていると思われます。そんな人達にもちゃんと現代版は受け入れられています。
なお、このアリサアシュレイはユニセックスですが、レディース向けもリリースされています。
カルバンクライン『ck-one』『ck-be』
ムスクの香りをベースにした香水で外せないのがこのカルバンクラインの『ck-one』と『ck-be』。男女共用できるユニセックスの草分け的存在です。
シーケーワンはラストノートに、そしてシーケービーにはホワイトムスクが使用されており、女性にも男性にもちょうど良いぐらいに漂います。
詳しくはこちらの記事も参考にしてみて下さい。
さいごに
今回はムスクが使用されている人気の香水を紹介してきました。
今や本物は手に入らなくなりましたが、その代わりに合成ができあがりました。むしろ合成のおかげで気軽にムスクの香りを楽しむことができるようになったと言えます。
独特な温かさやセクシーさがあり、多くの方に好まれています。ぜひあなただけにハマるムスクの香水を探してみて下さい。
コメント