それまでとは違う革新的なデザインでレディースファッションをけん引してきた「ディオール(Dior)」。もともとは服飾のブランドですが、皮製品・宝飾品・時計・コスメそして香水まで発売している、フランスを代表する名ブランドです。
戦後間もない頃に創業し、女性の優雅さや美を意識していたブランドは、今なお世界中から人気を集めています。可愛いボトルはもちろん、優雅でありながら使いやすく初心者にもおすすめ。女心を知っているブランドが作っているからメンズ香水の女性受けはバッチリ。
今回はそんなディオールを代表する人気の香水をレディース・メンズに分けて厳選し、記事にしました。
最初にディオールのブランドルーツと香水についてもまとめましたので、興味のある方は知識を深めてみて下さいね。
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ディオールのブランドルーツ
創業者であるクリスチャン・ディオールは1905年・フランスの裕福な家の生まれ。大学時代に芸術家と親交を深めますが、1930年代の世界恐慌で失職、その間に友人からデッサンを習いました。ここがターニングポイントとなりました。
帽子のデザインが好評となり、服飾の世界に興味を持ち服飾デザイナーを目指すことになります。テキスタイル界で成功を収めていた木綿王マルセル・ブサック氏が新しいデザイナーを探しているということで、そこに面接に行き運命的な出会いを果たします。
マルセル・ブサック氏は、ファッションを熱く語るディオールを見て、その隠れた実力に気付きます。そして大金を投資して会社を設立させました。この時すでに40歳を超えているという遅咲きで、この投資は異例なこと。これが世間から注目を浴び、いい宣伝になったのでしょう。
そして戦後間もない1946年にパリに「クリスチャン ディオール オートクチュール メゾン」を設立。翌年にパリコレクションにデビュー。発表された「コロールライン」はファッション業界に大きな衝撃を与えることになり、ファッション雑誌から「ニュールック」と呼ばれ、一躍人気ブランドになりました。
そうして数々のファッションを発表し続け、フランスを代表するブランドにまで成長しました。そのことは「ファッションの聖地:パリ」を復活させるのに大きく貢献したと言えるでしょう。
ディオールの香水
最初の香水である「ミスディオール」は「コロールライン」と同時期に発表。事業の円滑化のため1948年に「パルファン・クリスチャン・ディオール」を設立しました。
ファッションと同時に発表したのは、戦後の貧困の中、女性に優雅さと美を再発見してもらいたいという考えがあってこそのもの。「ディオールが描く女性の美」に似合うフレグランスを作り、それを付けてもらうこともまた、ファッションで身を包んでもらうのと同じく、エレガントさを纏ってもらいたい気持ちの表れです。
そういう背景もあってか、ディオールはやはり女性からの支持が高くなっています。デザイナーだけあってボトルデザインもエレガントなものが多く揃っています。
メンズは1966年に「オーソバージュ」が発表されたのが始まりです。誰からでも愛される上品なメンズフレグランス。これは女性の美を意識してきたからこそ表現できたフレグランスです。
ディオールの人気レディース香水
ジャドール
1999年に発売された、ディオールを代表する香水。製品名の「ジャドール」はフランス語で大好きという気持ちを表す言葉。女性的な曲線美が美しいボトルもあいまって、愛らしさを感じさせてくれるフレグランスです。
香調はエモーショナルフローラルといった新しいもの。実在する花ではなく、いろいろな花を組み合わせて作った象徴的な想像上の花のフレグランスです。
- 調香師:フランソワ・ドゥマシー氏
- 香調:エモーショナルフローラル
- トップノート…マンダリン・アイビーリーフ・チャムパックフラワー
- ミドルノート…オーキッド・ローズ・ヴァイオレット
- ラストノート…ダマスカスプラム・ボアドゥアマラント・ブラックベリームスク
フルーティーで嫌味がないトップノートに始まり、次第にフローラルのミドルノートへと心地よく変化していきます。ラストノートも甘さを持ちながらも濃厚すぎることなく優しく包み込みます。
フレッシュから始まるエレガント、年代を問わず使いやすいと人気です。ローラータイプの他、ヘアミストやボディクリームなども発売されています。
ジャドールの口コミ
アディクト
英語の「addict」は「中毒になる・夢中になる・大ファンになる」といった意味。宇多田ヒカルさんの歌に『Addicted To You』がありますが、こちらの意味は「あなたに首ったけ」となります。アディクトにも、それほどの魅力があります。
種類が「オーフレッシュ」「オードゥトワレ」「オードゥパルファン」とあって、それぞれが違った魅力を放ちます。
オーフレッシュ(ピンク色)
花々とフルーツが弾けるスパークリング フローラル
フリージアとスズランの輝くようなフローラル ブーケをカラブリアン ベルガモットが際立たせ、ホワイト ムスクがやさしく包み込みます。
花々とフルーツがはじけるスパークリング フローラル。
オードゥトワレ(黄色)
洗練を極めたフレッシュなウッディ フローラル
シシリアン マンダリン、サンバック ジャスミン アブソリュート、ネロリが奏でる煌めき。
センシュアルなサンダルウッドが包み込む、洗練されたフレッシュなウッディ フローラル。
オードゥパルファン(藍色)
甘く官能的なオリエンタル フローラル
バーボン バニラをベースに、オレンジ ブロッサムとサンバック ジャスミン アブソリュートが出逢う、甘く官能的なオリエンタル フローラル。
調香師は3つともフランソワ・ドゥマシー氏です。フローラルの香調であることは共通していますが、使われている香料が違いそれぞれに魅力的な個性があります。同じ「アディクト」を冠するリップ・グロスも出ていて、併せて使えば意中のカレを自分に首ったけにできる女子力を身に付けられますよ。
アディクトの口コミ
プワゾン
1985年発売の「自立する女性」をイメージしたフレグランス。「毒」を意味するその名前と完成度の高いフレグランスで瞬く間に有名になった、歴史ある香水です。
その毒のような魔力的な魅力で、纏った女性を妖艶なイメージに変えてくれます。
- 調香師:フランソワ・ドゥマシー氏
- トップノート…コリアンダー、など
- ミドルノート…ワイルドベリー・オレンジハニー・チュベローズ、など
- ラストノート…ナポポナックス、など
フルーティー・フローラル・スパイシーなノートが重なり合い、神秘的でありながらも挑発的な官能さも感じさせる、魔性の女の匂い。
プワゾンの口コミ
プワゾンガール
2016年に発売された、プワゾンの現代解釈バージョン。妖艶な雰囲気はそのままに現代風にしたことで、若い世代にも使いやすくなったスパイシーフローラルです。
- 調香師:フランソワ・ドゥマシー氏
- トップノート…ビターオレンジ
- ミドルノート…ダマスクローズ・グラースローズ
- ラストノート…トンカビーン・サンダルウッド・バニラ・アーモンド・トルバルサム
上品な甘さと濃厚なフローラルの中に苦みもあり、その苦みが大人なセクシーさのアクセントとなって魅惑的な女性を演出してくれます。
プワゾンガールの口コミ
ヒプノティックプワゾン
クリスチャンディオール ヒプノティックプワゾン 100ML E/T SP
その製品名を直訳すると「催眠毒」。もともと毒のような妖艶さを出すプワゾンに、さらに催眠をかけたかのような魅惑的なフレグランス。
ジャスミン・ビターアーモンド・バニラ・ムスクなどが幻想的に絡み合うシンクロノート。まるでスイーツのような甘さの中にアクセントとして苦みが感じられる、官能さ全開のフレグランス。まるで上質な洋酒に酔ってしまうかのように、気が付いたらもう、この匂いの虜になっているでしょう。
ヒプノティックプワゾンの口コミ
デューン
砂丘を意味するデューンですが、砂漠のような乾燥した場所ではなく、海辺の花も咲いている砂浜といったイメージでしょうか、自然を感じさせてくれるナチュラルなフレグランスです。
- トップノート…ハリエニシダ
- ミドルノート…ニオイアラセイトウ・ボタン
- ラストノート…アンバー・リケン
ゆったりとした濃厚さですが、嫌味はなくセクシーさもある不思議な印象。大自然に包まれたような柔らかさが感じられます。
デューンの口コミ
フォーエヴァー アンド エヴァー
バラの優しいフローラルで人気のフォーエヴァー アンド エヴァー。名前の通り、永遠に続く想いを乗せたフレグランスです。
- トップノート…フリージア・ウォータージャスミン
- ミドルノート…ワイルドローズ・アーモンドブロッサム・ゼラニウム
- ラストノート…バニラ・ムスク・アンブレッドシード
清楚なフローラルで、すっと肌に馴染んでいきます。きつさもないので誰でも使いやすいと人気です。
フォーエヴァー アンド エヴァーの口コミ
ミスディオール
Christian Dior(クリスチャンディオール) クリスチャンディオール ミスディオール ブルーミングブーケ
レディース香水で一番人気のシリーズ。
詳細は以下の過去記事を参考にして下さい。
ディオールの人気メンズ香水
オー ソバージュ
1966年に発売されたディオール初のメンズフレグランス。柑橘系ブームを作ったほどの名香。「フレンチクラシックの神髄」と評価されるその実力は今なお衰えることはありません。
香りはシトラス・レモン・ベルガモット・プチグレン・ベチバー・オークモスなどが使われています。
歴史あるがゆえにクラシカルな印象。若い世代にはちょっと使いにくいかもしれませんが、大人な男性の魅力を演出してくれますよ。
なお、次に紹介しますが、このオーソバージュを現代風にアレンジしたのが「ソヴァージュ」。圧倒的人気を誇るメンズ香水に仕上がりました。
オー ソバージュ口コミ
ソバージュ
2015年に発売されたメンズ香水。「オーソバージュ」を現代風にアレンジしてメンズ感を和らげています。クールでいて野性的なかっこよさを表現しているボトルと、ジョニー・デップを起用した広告が話題を呼びました。
- 調香師:フランソワ・ドゥマシー
- トップノート…カラブリアンベルガモット・ペッパー、など
- ミドルノート…ゼラニウム・ラベンダー・シセンペッパー・エレミ・ピンクペッパー・ベチバー・パチュリ、など
- ラストノート…アンブロキサン・ラブダナム・シダーウッド、など
スパイシーさのある爽やかさから始まり、そのあとから丸みのある柔らかな甘さと温かさが出てきます。それと同時にスパイシーさもはっきりとしてきます。野性的な印象もありますが、洗練されてバランスのいいフレグランスです。
甘さがあるためメンズ感もさほど強めではなく、女性でも使いやすいとの声もあります。
ソヴァージュの口コミ
ファーレンハイト
メンズ香水の金字塔と言われるファーレンハイト。名前のファーレンハイトは温度の一種「華氏」を意味する言葉です。その名の通り、クールさと温かみが共存するフレグランスとなっています。
- トップノート…ベルガモット・ラベンダー・レモン・キンモクセイ・マンダリン、など
- ミドルノート…ジャスミン・スズラン・シダーウッド・サンダルウッド・バイオレット、など
- ラストノート…アンバー・パチュリ・レザー・ムスク、など
瑞々しさと爽やかさがあるクールなトップノートに始まり、ミドルノートではウッディとフローラルへと続きます。ラストノートはレザーとムスクが温かく包み込みます。
ウッディ・レザーといった男性的で落ち着きのあるセクシーさを感じさせる、奥が深いフレグランス。それでありながら女性でもハマる人がいるという不思議な魅力を持っています。
ファーレンハイトの口コミ
ディオール オム
2005年発売のメンズ香水ですが、女性が使っても違和感がないユニセックスなフレグランスです。
- トップノート…ラベンダー・セージ・ベルガモット
- ミドルノート…イリス・アンバー・カカオ
- ラストノート…ベチバー・パチュリ・レザー
清々しいトップノートにはじまり、ミドルノートではイリスやココアの甘さが包み込みます。ラストノートではウッディでエキゾチックな香りが漂います。
ディオール オムの口コミ
ディオールオム コロン
2007年に発売された、ディオール オムのアレンジ版。その後、2013年にリニューアルされました。
香料は、カラブリアンベルガモット・イタリアングレープフルーツフラワー・ホワイトムスクが使われています。
シトラス系のさわやかさに清潔感を感じる柔らかいフレグランスで、女性の愛用者も多い作品です。
ディオールオム コロンの口コミ
デューン プールオム
名前の通り「デューン」のメンズ版ですが、女性の愛用者も多いユニセックスなフレグランスです。気分によってデューンと使い分けをしている人も多いようです。
- トップノート…イチジクの葉・バジルの葉・ブラックカラントの葉・マンダリン
- ミドルノート…ニューへディオン・モス・サルビア
- ラストノート…イチジクの木・サンダルウッド・アトラスシダーウッド・トンカビーン
フレッシュさもありながら落ち着きもある、自然の中でリラックスしているようなフレグランス。男性の魅力を引き出してくれるスパイシーさとウッディが好評です。
デューン プールオムの口コミ
さいごに
今回はディオールを代表する人気の香水を厳選して紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
時を越えて受け継がれている「女性の美」にこだわったディオールだからこそできる表現。この一言に尽きます。
個性を重視したレディース香水、女性でも使いやすいメンズ香水、と女性の感性に寄り添ったフレグランスを多数展開しています。
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