クヴォン・デ・ミニム(Le Couvent des Minimes)は元は南フランスの「修道院」の名称で、地域の救済院として約400年もの長い歴史が続いていました。
そこではボタニカル・ケアと呼ばれる、動物由来成分を含まない石鹸やスキンケアを昔から製造していましたが、この修道院は21世紀に入る直前に歴史の幕を降ろしました。しかしながら、修道院の保存と改装計画が再開し、現在はリゾート施設として南フランスで愛されて続けています。
そして、そのボタニカル・ケアの理念やコンセプトに感銘を受けて、2004年に「ロクシタン」の姉妹ブランドとして立ち上げられたのが、ブランドとしての「クヴォン・デ・ミニム」なのです。
その製品のほとんどがスキンケアに関するもので、植物由来で化学成分を出来るだけ含まず、フットケア、ハンドケア、バスタイム用のボディケア製品がメインのブランドです。そして2018年秋には、オーガニックのさらに先を行くヴィーガン・フレグランスブランドとして生まれ変わりました。
そんなクヴォン・デ・ミニムから発売されている人気のメンズフレグランス 『オーデクリスタル』 、そして 『オーデミニム』 について、その香りや使用者の口コミをご紹介します。
クヴォン・デ・ミニムのコンセプトはオーガニックからヴィーガンへ
オーガニックとは元々は有機栽培の植物のことを指していますが、今では 「現在栽培される人工作出栽培植物よりも、天然に近い原料を自然由来から抽出した成分で加工すること全体」を指して呼ぶことが多いです。
自然の生態系を壊すこと無く、健康に配慮し、過度な価格競争よりも製造コストに見合った商品を開発しています。
クヴォン・デ・ミニムは、修道院で段々畑を造り、その多くの製品が植物由来の成分です。動物実験への抵抗から、動物由来の成分を一切使いません。やはり全体としてオーガニックやボタニカルの精神を引き継ぐブランドといえるでしょう。
ボトルデザインも、伝統的なフランスのアールデコ調のロゴパッケージに入ってお洒落です。
そして2018年の秋にはヴィーガン(Vegan)なフレグランスブランドへと進化しました。ヴィーガンとは「植物性にとことんこだわった」「動物性のものを一切使わない」というようなニュアンスの言葉です。
菜食主義者のベジタリアンを、さらに究極型にした「完全菜食主義者」という意味での使われ方の方が馴染みがあるかもしれませんね。こちらの場合は、肉を食べないのはもちろんのこと、卵やバターといった動物性のものを一切食べない主義の人になります。
さらにこの考え方を突き詰めている人たちは、食だけでなく衣や住など、すべてのライフスタイルで動物性のものを使用しない考え方を持っています。
少し話がそれてしまいましたが、クヴォン・デ・ミニムは、こういったヴィーガンの考え方を持つブランドに生まれ変わりました。ただ単に動物由来成分を使っていないだけではなく、そのことを保証する認証マークを「The Vegan Society(ヴィーガン協会)」から受けています。
このように、自然と動物に配慮した、オーガニックの次の段階にあるブランドへと進化したのです。
『オーデクリスタル』
まず、香りの成分は以下の通りです。
- トップノート…ベルガモット・マンダリンオレンジ・ラベンダー
- ミドルノート…ローズ・クロフサスグリ・スズラン
- ラストノート…シダー・ガージャンバルサム
強さはトップノートからミドルノートへの変化は少なく、最初にラベンダーが強めに出た後、シトラスの爽やかな苦味に加えて、瑞々しい爽快感でスッと消えていき、ほのかな針葉樹の香りがしばらく続くイメージです。
バスタイム後の就寝前などに使えば、寝室をリラックス空間に演出できる感じですね。もちろん外出用としても使えます。汗の成分と衝突しないのでビジネス使用もできるかと思います。
また、少量過ぎる使い方では本来の良さが演出できませんから、思い切って上半身全体にスプレーしちゃいましょう。もちろんこれは邪魔にならない程度の強さになっているからです。オーデコロンは、そもそも思い切った使い方をするものなので、気軽に使って欲しいですね。
サラサラした液体でブルーに着色されているので色も爽やかですね。
香水としてみた場合は、主体となるものより添加されるエッセンス的な成分がほとんどです。
クヴォン・デ・ミニムの香水の種類はオーデコロン
『オーデクリスタル』の”オーデ”とは、クヴォン・デ・ミニムの公式ページのラインナップにあるように、オーデコロンを指します。
香りの成分の濃度が最も低いのが特徴。成分自体は、オードトワレの5%から10%に比べて5%以下であるので、希釈成分が多く、持続性は最大で2時間位。代わりに価格帯が安く、しかも容量の大きなボトルが多いため、シャワーの後や気分転換したい時に気軽に身につける事ができます。つける量もそれほど気にする必要はありません。
香りはトップノートとミドルノートに区別がなく、1時間程度経過すればラストは針葉樹の香りで終わるイメージです。
持続性においては、香料グレードが最も低いところに位置するので、「一度にたくさん使える」、「量に対してコストが安い」といった特徴があります。
日本では男性が主体でオーデコロンを使う頻度が多く、特に夏場のお風呂上がりに、汗を抑えるための利用がこれまで多かったですね。
オーデクリスタルは、ミントや科学的なスーッとする成分は含まれないので、どちらかと言えば、ほのかで柔らかい柑橘系とラベンダーの香りです。非常に万人向けで、メンズ、レディースを問わず、ユニセックスとして利用できます。香水の初心者でしたらまず最初に購入して、大いに生活に取り入れて欲しいフレグランスです。
パラベンフリー
オーデクリスタルは、「パラベンフリー」のオーデコロンです。これは、医薬品や化粧品に含まれる防腐剤のことで、抗菌性の高いパラオキシ安息香酸エステルを含まない、香水(化粧品)となっています。
全体的には「香油」がメインで使われているので腐敗の心配はいりませんが、冷やして使っても問題ないですね。液体の色はオーデクリスタルの場合は爽やかなブルーですが、これは色をつけてあります。恐らくはラベンダーのカラーだと思います。
揮発成分としては「エタノール」と「水」だけで、あとは植物由来の香油なので、香りは量の多さでもそんなに大きく変化することは無いでしょう。
オーデクリスタルの使用者の口コミ
持続時間に関する口コミでは 「2~3時間でなくなる」「2時間くらいは持続する」 と2時間前後を思わせるものが挙がっています。本来持続性が低いとされるオーデコロンのタイプですが、オーデクリスタルの場合はほのかな香りが2時間程度はあるようです。
最初にラベンダー、次いで爽やかな柑橘類、男女問わず使える点ではカップルで共有して使用するパターンもあります。 「彼氏が使っているんですが、私も借りておそろいでお出かけとかしています。」 というような口コミはいくつかありました。
柑橘系のハーブ独特の苦い感触は、鼻が利く人には見分ける事ができるかと思います。全体的にはスッキリしたマンダリンオレンジが香るフローラル・シトラス系ですね。しばらくして主体の香りがすっかり揮発すると、針葉樹のエンピツビャクシンが。石鹸のような印象なので優しい香りと感じる人が多いです。
「石鹸のように爽やかで気に入っています!」「シトラス系がつんと来なくて使いやすい。」「爽やか、ナチュラル」といった口コミが挙がっていましたよ。
「寝るときに枕に付けてから寝ています。」「気分転換したい時、部屋に吹いています。」と、ピローミスト、ルームミストとしても使う人がいました。スプレーヘッドが別に付属していてミスト状に吹けるので、その点も便利ですね。
また人によっては 「懐かしさを感じる。」そうで、年齢も非常にユーザーでは幅広いです。クヴォン・デ・ミニムの他のオーデコロンでも価格も比較的リーズナブルで、シチュエーション別に大きさを選ぶ方も多いです。
他にも様々な口コミが挙がっています。ちょっとしたエピソードがあるものなど、いくつか紹介していきたいと思います。
『オーデミニム』
- トップノート…ブラッドオレンジ・レモン・グレープフルーツ・ローズマリー
- ミドルノート…ジャスミン・ネロリ・ローズ・マグノリア
- ラストノート…アンバー・ベンゾイン
こちらもユニセックスで使えるフレグランスになっています。トップノートは甘酸っぱいシトラス系、ミドルノートではフローラルの柔らかい甘さが出て、ラストノートでは気持ちが落ち着く爽快感。
こちらもオーデコロンですから、持続時間はそれほどありません。その分きつくなくて使いやすいので、強い香りが苦手な人や初心者の方でも使いやすくなっています。
まとめ
香水初心者ならオーデクリスタルから楽しみを覚えても良いですし、香水を既にお使いのメンズなら今度はインナー用としてオーデコロンを生活シーンで使ってほしいと思います。
価格的にもリーズナブルですし、何よりボトルラベルや箱のデザインがお洒落で、思わず部屋に飾りたくなります。女子ではこの可愛さに惹かれる方も多いでしょう。
直射日光や気温が高い場所には保存できませんが、お風呂場近くの洗面台に置くだけでも、かなりセンス良いデザインだと感じます。
オーガニックで優しい香りですから、やはりバスタイム後に使って欲しいのがクヴォン・デ・ミニム『オーデクリスタル』ですね。
なお、同シリーズのオーデミニムも注目されており、コアなファンも抱えている人気の香水です。ぜひ併せてチェックしてみて下さい。
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